30代子持ちのキャリアチェンジ記

1991年三重生まれ、金融系SEから転職したい。渋谷区で0&3歳児子育て中。食べることと旅行が生き甲斐

【ブックレビュー】嫌われる勇気 岸見一郎

参考になった ☆☆★★★

読みやすさ  ☆★★★★

おすすめの読者

 ・自意識過剰で他人の目を気にしすぎてしまうと感じる人

 ・過去の出来事や育った環境をつい言い訳にしてしまう人

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この本は数年前に読んで「面白い!そして私は言い訳人間でどうしようもないヤツだなあ」と思った記憶があるのですが、肝心の内容はすっかり忘れたので再読。

対話形式で読みやすいので、休日1日あれば読めるかと。

アドラー心理学に基づき”「どうすれば幸せに生きることができるか?」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な答えを提示する”本だそうですが、内容すべてに納得できるわけじゃないし、一部理解できない点もあるし、実践するのもなかなか難しいなぁというのが私の感想w

この本は、「過去のトラウマなど存在しない」「人間は変われる」という立場なので、過去を言い訳にしてしまう私には耳が痛い部分も多かったです。現在メンタルがちょっと弱っている人にとっては自分をさらに追い詰めてしまう(自分がこんな状態から抜け出せないのは自分のせいなんだ、という風に)可能性もあるかもしれませんので要注意です。。

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<ポイント> 小文字は私の心の声です

 ・アドラー心理学は、原因論=「あらゆる結果の前には、原因がある」を否定して、目的論=「人は目的に沿った行動をとっている」という立場をとる。なぜならば、例えば「自分は過去に虐待を受けたから現在も人と関わるのが怖い」という事実を原因論で説明すると、「過去に虐待を受けた人は誰でも、人と関わるのが怖い」となってしまうが、実際は皆が皆そうではない(うーん、でも傾向としてこの例のようなことはありえるよな?)。この例は目的論では「人と関わりたくないから、恐怖や不安という感情を作り出している」と説明される。「AだからBできない」というのは「Aさえなければ私は有能であり価値がある」と言外に暗示している。

 ・アドラー心理学における行動面の目標として「自立すること」「社会と調和して暮らせること」、心理面の目標として「わたしには能力がある」「人々はわたしの仲間である」という意識をもつこと。→のちに出てくる自己受容、共同体感覚、他者貢献につながる。

 ・すべての悩みは「対人関係の悩み」である。例えば男性で身長が155㎝しかないことに劣等感を覚えるのは、平均より低い155cmという客観的な数字に対して自分がどういう価値を与えるかという主観的な解釈であり、その価値は社会的な文脈(≒対人関係)の中で生じるものと言える。

 ・対人関係のゴールは「共同体感覚:他者を仲間とみなし、自分の居場所があると感じられる」をもつことである。アドラー心理学における共同体とは、家族や職場といった枠組みを超えた過去~未来、宇宙までもを含める(!?)。まずは、最小の共同体である「わたしとあなた」に焦点をあてて、自己への執着を他者への関心に切り替えることから始めよう。

 ・承認欲求は、認めてもらう・褒めてもらうことを目的として行動をとることにつながる。他者の期待を満たそうとしてはいけない自分の課題と他人の課題を分離して、他人の課題には介入せず、自分の課題に他人を介入させないことで、対人関係のトラブルを減らすことができる。他者の課題に対して援助はするが、最終的に課題に対して行動を起こすのは本人が決めることである。自分の選択に対してどういった評価をするかは他人の課題であり、自分にはどうすることもできないのだから、自分が最善と信じる選択をすることが重要。たとえ親子であっても、子供に「勉強をしなさい」と強要するのは間違っている(勉強しないという選択による結果を受けるのは子どもなのだから、それは子どもの課題である)。

 ・叱ったり褒めたりすることは上限関係があることの現れであり、褒めるという行為は、褒められるという目的のために行動をとらせることに繋がってしまう。我々は横の関係でつながるべきであり、他人を評価することなく、褒める代わりに感謝や尊敬の気持ちを伝えることで、横の繋がりの中で自分の存在を肯定的にとらえることができるようになる。

 ・行為でなく、存在そのものに価値があると考える。(これは頭で理解できても実践するのは難しいし、本書の説明もあまり納得できなかった。例えば交通事故に遭った場合、重い後遺症が残ったとしても生きてくれているだけでありがたいと思えるというのは理解できるが、それを日常生活レベルで実践するのは難しいよねえ)

 ・自己受容=自分に与えられたものを活かし、時には変えていく勇気を持つとともに、与えられていないものや変えられないことはありのまま受け入れる。

 ・他者がわたしになにをしてくれるかではなく、わたしが他者になにをできるかを考え、実践すること(他者貢献)。他者からの承認を求めるのはなく、「自分は誰かの役に立っている」という主観による貢献感をもつことが幸福につながる。(他者からの評価なしにこの感覚をどうやってもつのは難しいよねえ)

 ・「いま、ここ」を真剣に生きる。過去にどんなことがあったかは「いま、ここ」に関係ないし、未来がどうであるかも「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」に集中すれば、過去も未来も見えなくなる。原因論に立って人生を物語に見立てると、こういう過去だから現在こうなっていて、未来もこうなるだろうとぼんやり見えてしまって、その通りにしか行動できなくなる。

 ・アドラー心理学における人生の大きな指針は「他者貢献」であり、「いま、ここ」という完結した刹那をダンスをするように生きること。誰かと競争する必要も、目的地もいらない。踊っていれば、どこかにたどり着く。(人生の大きな目的はあったほうがいい気がするけどなぁ~、そうじゃないと、特にいまやりたいこともない人はどうやっていまここに集中すればよいんだ!?

 

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以上、半分納得できて半分はウーンって感じだったかなあ^^