【ななみよみメモ】食事のせいで、死なないために〔食材別編〕
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おすすめの読者
・健康な食生活を目指す方 (みんなそうかw)
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<前提>
菜食中心の食事は、死因上位15の疾病の予防や治療、改善に役立つ(この点は〔病気別編〕に詳しく書かれているそう。本書では、具体的にどのような食材を摂取すべきか書かれている。
<体に良い成分を多く含み、悪い成分が少ない食品(ざっくり)>
・米国がん研究協会による勧告に基づくと、下記の通りとなる。
◎(青信号):未加工の植物性食品(ex.サラダ、オートミール、果物、ナッツ)
△(黄信号):加工された植物性食品、未加工の肉・魚(ex.白米、ジュース、ステーキ、刺身)
×(赤信号):超加工された植物性食品、加工された肉製品(フライドポテト、ハムソーセージ、フライドチキン)
×の食材は、「どんなに少量であっても、摂取した場合、リスクがないと言い切れるだけの根拠がない」食材である。例えば肉や乳製品に含まれるトランス脂肪酸は、どんなに少量であっても冠動脈疾患のリスク増加につながるという、全米科学アカデミー医学研究所の論文がある。
<毎日摂取すべき食品群(ざっくり)>
写真のとおり、12項目。
<毎日摂取すべき食品群(詳細)>
①豆類
・豆乳や豆腐は加工食品であり、大豆に含まれる食物繊維、マグネシウム、カリウム、タンパク質、亜鉛などの栄養素は加工により半分以上失われてしまう(それでも栄養は豊富だが)。
・豆腐よりもテンペの方が栄養価が高い。
・みそ汁は塩分過剰摂取(による胃がんと高血圧)の懸念があるとよく言われているが、気にしなくてよい。なぜなら、塩の発がん作用が大豆の抗発がん作用によって中和される。味噌に含まれる塩分は血圧を上げるが、大豆たんぱく質には血圧を下げる効果がある。 味噌による降圧作用は、塩による血圧上昇効果を上回る可能性が高い。
・豆類の効果:ウエストを引き締める。血圧を下げる。血糖・インスリン・コレステロールの数値を調整する。食物繊維・葉酸塩・フィチン酸による脳卒中、うつ病、大腸がんなどのリスク低減。乳がん予防。
・レンズ豆は特に栄養豊富。発芽させる(スプラウト)と抗酸化作用が2倍になる。レンズ豆を摂取すると次の食事の際に血糖値の急上昇が抑えられる。これは、腸内の善玉菌を活性化するプレバイオティクスが豊富に含まれ、プロピオン酸などの有効成分が分泌され胃の働きが穏やかになるため(これは他の豆類も同様)。
・水煮缶でも栄養価は変わらないが、塩分が含まれているものは塩分を洗い落とすこと。
②ベリー類
③その他果物
・オリーブオイルは△の食品。エクストラバージンオリーブオイルは、製造工程で水溶性の栄養分が捨てられてしまう(フルーツジュースのようなもの)ので、オリーブの果実に含まれていた栄養分はほとんどない。
④アブラナ科の野菜
・アブラナ科の野菜に含まれるスルフォラファンは、非常に多くの効果をもつ。
DNA損傷やがんの転移を防ぐ。病原体や汚染物質に対する防御能力を高める。リンパ腫を予防する。肝臓の解毒作用を高める酵素を活性化させる。乳がん幹細胞の増殖を阻害する。前立腺がんの進行を抑制する。脳や視力を守る。アレルギー性鼻炎を緩和する。2型糖尿病の症状を抑える。自閉症の治療に役立つ(社会的交流や言語コミュニケーションの進歩、行動異常の改善)。
⑤緑色野菜
・緑の植物は、抗酸化作用、抗変異原性作用(遺伝子変異の原因に抗する作用)、抗腫瘍効果をもつ。
・ハーバード大学の研究者によると、あらゆる食品群の中で、緑色野菜は主な慢性疾患の予防にもっとも効果が高い。
⑥その他の野菜
・きのこ類には、エルゴチオネインという体内で酸化ストレスの多い部分(肝臓や目の水晶体)や敏感な組織(骨髄や精液など)の細胞保護剤としての働きをもつ抗酸化物質(アミノ酸)である。
・さつまいもはスーパーフード。NASAの宇宙飛行にも持参されている。さつまいもに限らずだが、野菜の色は濃い方が栄養価が高い。例えば、紫じゃがいもを1日1個食べると炎症の緩和や血液の抗酸化作用が確認できたが、白や黄色のじゃがいもを食べてもその効果は見られなかった。
・様々な野菜が様々な抗ガン作用をもつので、なるべく多くの種類の野菜を沢山食べることがよい。特に、アブラナ科とアリウム科(玉ねぎ、にんにくなど)は効果が高い。
・調理法
・茹でたり、圧力鍋で調理すると、抗酸化作用が低下する。
・電子レンジや油を使わない鉄板調理では、抗酸化作用はあまり低下しない。
・ピーマンは加熱に弱い。玉ねぎは加熱しても抗酸化作用はほとんど変わらない。にんじんとセロリは加熱した方がよい。
⑦フラックスシード
⑧ナッツと種子類
⑨スパイスとハーブ
・ターメリックは特におすすめ。毎日こさじ1/4のターメリックを摂取するとよい。
・ターメリックの黄色色素であるクルクミンは、肺疾患、脳疾患、多発性骨髄症、大腸がん、すい臓がんなどの多くのガンに予防及び治療効果が発揮され、術後の回復を促進する。リウマチ性関節炎、変形性関節炎、紅斑性狼瘡、炎症性大腸疾患などの炎症疾患への治療効果。
・酸化物質により血液細胞のDNA損傷が起こるが、ターメリックを摂取するとDNA損傷が生じる細胞の数が半減する。
・ショウガは、片頭痛や生理痛、吐き気止めに効く。症状が現れたら小さじ1/4~1/8のショウガパウダーを水に溶いて飲むとよい。生理前から摂取すると、経血量やPMSを緩和する効果も見られた。小さじ1/8のショウガパウダーは400mgのイブプロフェンと同等の効果が見られた(←ネットで調べたら、頭痛薬のEVEに含まれるイブプロフェンは200mgほど)。乗り物酔い、つわり、化学療法、放射線療法、術後の吐き気を抑えるのに効果的(吐き気止めのドラマミンよりも効果が見られた)。なお、妊婦の1日あたりのショウガ摂取量上限は生ショウガで20gなので注意。それ以上は子宮を刺激する効果がある。
⑩全粒穀物
・全粒穀物は、心臓病、2型糖尿病、肥満、脳卒中のリスクを低減させる。
⑪飲料
⑫運動
その他
・酢も体に良い調味料。小さじ2杯のお酢は血糖値コントロールに効果的(食後の血糖値上昇が20%抑えられたデータもある)。そのほかにも、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や動脈硬化の改善、体脂肪の減少にも効果がある。
・◎の甘味料は、廃糖蜜とデーツシュガーのみ。