【ななめよみメモ】食品の裏側 阿部司
Amazonのおすすめ一覧に表示されたので図書館で借りてみた本書ですが、スーパーで売られていたり我が家の台所にある食品がどのように「加工」され、いかに添加物まみれかと気づかされるきっかけになった、おすすめの1冊です。
私的結論としては、
・安いものには理由がある(当たり前w
・添加物ゼロの生活は到底無理だが、自分の中の優先度をつけて、良く考えたうえで食べるものを選択していきたい
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 | 司, 安部 |本 | 通販 | Amazon
本書の中から特に衝撃的だった食品の裏側を列挙してみます↓
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・安いミートボールは”どろどろのクズ肉”できている。ペットフードに利用されることもある端肉(牛の骨から削ぎ取られるもの)に、廃鶏(卵を産まなくなった鶏)のミンチ、組織状大豆たんぱく、化学調味料、着色料、保存料、酸化防止剤、ph調整剤を加えたものがミートボール本体。ソースは、氷酢酸をカラメルで黒くしたものに化学調味料を加えてトマト色に着色し、酸味料で酸味を加えて増粘多糖類でとろみをつけて作ったケチャップもどき。
・安い漬物やおにぎりの具材は、輸入品の黒ずんだ食材(工場の人は”廃材”と呼ぶ)を漂白して添加物で味や色をつけている。おにぎりの具材のおかかは出がらしの鰹節だったりする。
・「低塩」の漬物は、低塩でも保存がきくように大量の添加物が使われたり、低塩であると感じるように甘味料が加えられていることが多い。
・自然のミネラル分が含まれている塩は「自然海塩」のみ。「輸入塩(岩塩や天日塩)」「再生加工塩(輸入した岩塩や天日塩)」は、外国の安い岩塩や天日塩を海水で溶かしたものを煮詰めて結晶化する過程でミネラルが失われるため、塩化マグネシウムや塩化カルシウムをあとから添加している(中には、鉄さび(鉄アンモニウム塩)で着色しているものも)。
・添加物は一括表示が認められているので、食品ラベル上で1つしか書かれていなくても実際は複数の添加物が使用されていることがある(p117)。
・カット野菜は、殺菌剤(次亜塩素酸ソーダ)のプールで消毒されているため、長持ちする。中には、シャキシャキ感を出すためにph調整剤に漬けられることも。ただし、これらは加工過程で使われただけという理由で食品ラベルには表示されない(加工助剤=食品の完成前に除去されたり中和されるとされるもの)。
・うまみのベースは「食塩」+「化学調味料」+「たんぱく加水分解物」。これに風味付けのエキス(チキン、かつお、昆布など)を加えると味が変わる。インスタントラーメンもスナック菓子もだしの素も全部おなじ作り。p153
・「たんぱく質加水分解物」とは、肉や大豆のタンパク質を酵素や塩酸を使って分解して作られるアミノ酸。これの問題点として、①塩酸分解によって作られるたんぱく質加水分解物の場合、副産物である塩素化合物は発がん性がある、②スナック菓子のようなくせになる濃い味で、この味に慣れてしまうと天然の味が美味しいと思えなる恐れがある。
・無果汁のジュースは添加物のかたまり(例えば無果汁レモンジュースであれば、黄色の着色料+酸味料のすっぱさ+ビタミンC+ブドウ糖果糖液糖で甘み+レモンの香料+セルロース(おがくずから作られる)で濁り)
・500mlの清涼飲料水には50ml前後のシロップ(ブドウ糖果糖液糖)が含まれることも。ブドウ糖が体内に吸収され血糖値が急激に上昇し、こどもの糖尿病のリスクも高まる。
・添加物の安全性が不確かな理由として、①動物実験(マウスなど)に異常が見られた値の●●分の1までなら人間には安全だろうといったレベルの安全性であること、②個々の添加物の安全性はもとより、複数の添加物を摂取した場合の毒性は明らかになっていないこと。
・かといって、全ての添加物をダメだと言ってしまうと、豆腐(大豆に「にがり」を添加したもの)やこんにゃく(水酸化カルシウムで固められたもの)など、伝統的な日本食も食べられなくなってしまう。
・食品添加物=台所にないもの。
・安いものはそれなりのものであるー安い水は、水道水を浄化してミネラルを添加したもの。
・農業や畜産業が身近でない環境では特に、食べ物に感謝することが難しい。近年、キレやすい子供が増えている一因を栄養の偏りや添加物だと主張する人もいるが、それよりも「食」を軽くみているせいで命のありがたみが分かっていないからではないか。「食べ物を大切にする子どもは、絶対に人をあやめない」
・添加物分類表(巻末)