30代子持ちのキャリアチェンジ記

1991年三重生まれ、金融系SEから転職したい。渋谷区で0&3歳児子育て中。食べることと旅行が生き甲斐

【ななみよみメモ】癒す心、治る力 アンドルー・ワイル

1995年出版と古い本であることは念頭に置いておく必要あり。

 

以前読んだヴィーガンになったウルトラトレイルランナー「EAT&RUN 100マイル走る僕の旅」で紹介されていた本。

ちなみに著者は、東京出張の際は明治神宮の新鮮で神聖な空気に触れて空気汚染デトックスすると書いてあって、なぜか親近感がわきましたw

感想(最近読む本はどれも読了後の感想が似通っているなあ)

 ・人間は自然の中で調和して生きている

 ・身体の中の調和システムを崩す外的要素が増えている(食生活、環境・食品汚染など)

 ・本来、身体が持っている治癒力を高めるには、伝統的な食生活に立ち返り、戦後に取り入れられた不自然な物質を生活からなるべく取り除くこと

 

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古代ギリシャ時代、医師は「医神」アスクレピオスの娘の「健康神」ヒュギエイアに仕えるヒーラーがいた。ヒュギエイアを信じる者にとって健康とは物事の自然な秩序のことであり、医学の最も重要な機能は人に「健全な身体に宿る健全な精神」を保証してくれる自然の法則法則を発見しそれを人々に教えることとした。 一方、彼らに懐疑的もしくは世俗的な意味で分別のあるアスクレピオスの信奉者は、医師の重要な役割は病気の治療であり、誕生から生にまつわる偶然が引き起こす何らかの欠陥を正すことによって健康を回復する事と信じていた。

アスクレピオス派はトリートメント(治療)に関心を持ち、ヒュギエイア派はヒーリング(治癒)に関心を持つ。治療は外部から施し、治癒は内部から起こる。ヒーリングという言葉の文字通りの意味は「一つの全体にすること」であり、まったき状態とバランスを回復することである。治療が好結果をもたらした時でさえ、その結果とは別の条件下では何らが外部からの刺激なしに作動をしたかもしれないような、もともと内部に備わった治癒機構の活性化そのもののことなのだ。体には治る力がある。なぜなら体には治癒系(ヒーリングシステム)が備わっているからだ。

 

中国医学の強壮剤に対しては抵抗が生じない。それらが殺菌を「叩く」作用ではなく体の防衛機構と「協調して」働くものだからだ。

 

・脂肪について

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・タンパク質

体の組織の生合成、成長、維持、修復にはたんぱく質が必要である。必要量以上のたんぱく質を食べると余った分はエネルギー源となるが、タンパク質は体のエネルギー源として理想的とは言えない。 タンパク質の分子は巨大で複雑な形をしており炭水化物や脂質よりも消化と代謝により多くの作業を必要とするからだ。従って高タンパクの食生活を続けると消化器系に負担がかかりすぎ、治癒のために使えるエネルギーが不足する。またタンパク質は窒素が含まれているため、代謝の過程で残留窒素を作り出し肝臓によって処理される。その後肝臓によって尿素に作り変えられ、その尿素を排除するために腎臓に負担がかかる。窒素分解物は免疫系を刺激しアレルギーや自己免疫疾患のリスクを高め体の防衛機能を狂わせることになりかねない。 現代ではたんぱく質を過剰摂取する傾向にある。また、動物性タンパク質中心の食生活は植物連鎖の頂点に立つという問題が生じる。 つまりそれだけ濃度の高い有害物質を口に入れることになる。環境中の有害物質は食物連鎖の上位に行けば行くほどそれだけに大きくされるからだ。

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「還元主義ー全体の特性は全体を構成する各要素の作用に還元できるとする信念」は西洋の科学と医学に共通する性癖である。自然な状態の時に興味深い効果のある植物を発見すると、我々はその正体を探りその植物の主要有効成分を抽出して純粋な形で患者に与えたいと欲する。一方、中国伝統医学の意思は全く異なった考え方をする。

 

・日本では近年アトピーが異常な出現率である。現代医学の治療はステロイド剤で皮膚炎の症状を抑えるという粗末なもので期待できず、患者はステロイド依存症になってしまう。日本で過去50年間で大きく変わったことといえば、食生活である。日本人は以前に比べてはるかに大量の肉及び乳製品を食べている。それらの動物性タンパク食品が直接免疫系を刺激し湿疹のようなアレルギーを起こしやすい素因を作っているのではないか。それらの食品には野菜と魚という日本人の伝統的な食物のそれよりも多量の有害物質が使われている。その上、戦後の日本では農薬と食品添加物の使用量が驚くほど増えている。私の友人の日本人の内科医によると、無農薬有機食品に変えてアトピーが劇的に治った患者は少なくないと言う 。

 

・有害な電磁波:電気毛布やホットカーペット、電気時計、ラジオ。コンピューターに向かう人は電磁放射と電磁波を遮断するスクリーンをつけるほうが良い。 電子レンジに関しては、加熱によりタンパク質を含む食品の化学組成を変化するため、ラップで包んだりプラスチック容器で加熱するとそのタンパク質の分子が食品中に混入する問題がある。レンジで温める際はガラスか陶器の容器に移した方が良い。

 

・治癒力を高める食品ーにんにく、生姜、朝鮮ニンジン、緑茶、ノギス、エゾウコギ、当帰、黄耆、何首烏、舞茸

 

・現代医学にできることできないこと

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・アレルギー

アレルギーとは本来は無害な環境因子に対する免疫への学習反応である。現代医学の治療法は症状を押さえつけるだけの治療であり、いずれは免疫の反応性を高めることになる。 アレルギーの自発的治癒力を起こりやすくするための方法:①食生活の改善(低タンパクを守る、動物性食品、特に乳製品はやめる。ミルクのたんぱく質が免疫系の刺激剤になる人が多いから)。農薬も免疫系の反応を狂わせることが多い。②補助食品(ビタミン剤など)③ハーブ療法(イラクサ)④環境の改善(空気清浄機など)⑤心身相関療法(イメージ療法)

 

・女性の病気

カフェインと 動物性食品(特に乳製品)を最小限に抑え有機栽培の野菜果物穀物をたくさんとること、亜麻仁油や魚のオメガ3脂肪酸を摂取すること(これは免疫系を高めたい場合、皮膚の病気の場合も同じ)。エストロゲンを含む大量生産の肉の摂取を止め大豆製品などにより植物性エストロゲンを摂取すること。

 

・がん治療

現代療法、代替療法ともに現在のがん治療は満足とは程遠い。現代医学の三大療法すなわち外科手術、放射線療法、化学療法のうち納得できるものは外科手術だけである。放射線療法と化学療法は未熟かつ粗雑な方法である。いずれも、「癌細胞は通常細胞の分裂が速い」という仮説に基づき分裂中の細胞を殺すことによる治療法だが、これが通用するのは小児がん白血病リンパ腫精巣癌などごく少数のタイプの癌に過ぎない。放射線療法と化学療法の副作用(脱毛、食欲不振、悪心、嘔吐)は皮膚と消化管の損傷の現れであり、さらに重要なのは免疫系が損傷されてしまうことだ。放射線治療や化学療法を受ける際は「癌に与える損傷は免疫系に与えるその損傷を補ってあまりあるか?」と問うべきだ 。

 

・「医学が病気よりも治癒の方に注意を向け、人間の自然治癒力を信じる医師たちが治療よりも予防を重視するような社会」の実現を阻害する要素

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