30代子持ちのキャリアチェンジ記

1991年三重生まれ、金融系SEから転職したい。渋谷区で0&3歳児子育て中。食べることと旅行が生き甲斐

【ななめよみメモ】 イシューからはじめよ 安宅和人

・ 「考える」と「悩む」この二つの違いは何だろう。「悩む」とは答えが出ないという前提のもとに考えるふりをすること、「考える」とは答えが出るという前提のもとに建設的に考えを組み立てることである。ビジネス、研究ですべきは考えることでありあくまで答えが出るという前提に立っていなければならない。悩まないというのは僕が仕事上で最も大事にしている信念だ。

 

・生産性とはインプット(投下した時間・労力)対してアウトプット(成果)がどれくらいだせたかということだ。 生産性を上げたいなら同じアウトプットを生み出すための労力・時間を削りこむか、あるいは同じ労力時間でより多くのアウトプットを生み出さなければならない。それでは、多くのアウトプット、バリューのある仕事とは何だろうか。 バリューのある仕事とは「イシュー度が高く解の質が高いもの」だと僕は考える。イシュー度とは自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ、そして解の質とはそのイシューに対してどこまで明確に答えを出しているかの度合いである。

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・ ここ数年、頭はいいが反応がデジタル的で深みがないと感じる人に会うことが増えた。論理だけに寄りかかり短絡的・表層的な思考をする人間は危険だ。 世の中にはロジカルシンキングフレームワーク思考などの問題解決のツールが出回っているが、問題というのはこれらだけでは決して解決しない。 問題に立ち向かう際には他人からの話だけではなく、自ら現場に出向くなどして一時情報(誰のフィルターも通っていない現場の生の声や、加工されていない生のデータ)を掴み、そしてさらにその情報を自分なりに感じることがとても重要である。

 

脳は自分自身が意味があると思う事しか認知できない。そして意味があると思うかどうかは、そのようなことが意味を持つためにどれぐらい遭遇してきたかによって決まる。 有名な実験に、生まれたばかりの猫を縦縞しかない空間で育てると、その猫は横の線が見えなくなるというものがある。その結果、その猫を四角いテーブルに乗せると、横線である端が見えないのでテーブルから落ちてしまう。そもそも脳にとって特定の情報処理ができるということは特定の意識が起きることであり、それはすなわち特定のことに関する情報処理活動が活性化している事に近い。 

 

・イシューが見えそれに対する仮説を立てたら言葉に落とすことが重要だ。人間は言葉にしない限り概念を求めることができない。絵や図はイメージをつかむためには有用だが、概念をきっちりと定義するのは言葉にしかできない技である。



・ イシューの三条件:①結論によって大きく意味合いが変わるものすなわち本質的な選択肢、鍵となる質問であること ②深い仮説があること(一般的に信じられている常識を否定できることや直感に反したものであることあること) ③明確な答えを出せる問題であることある



・ イシューを特定するための情報収集のコツ: ①一次情報に触れること②一次情報から得た感覚を持ちつつ、世の中の常識基本的なことをある程度の塊としてダブりなくもれなく素早く調べること ③集めすぎない、知りすぎないこと である。情報収集にかけた努力手間とその結果得られる情報量にはあるところまでは正の相関があるが、そこを過ぎると途端に新しい取り組みをスピードが鈍ってくる。また、知りすぎはもっと深刻な問題だ。 ある情報量までは急速に知恵が湧くが、ある量を起こすと急速に生み出される知恵が減り、最も大切な自分ならではの視点がゼロに近づいていくのだ

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・ 理解するとは情報を繋ぐことである。相手に既知の情報と繋ぎようのない情報を提供しても、相手は理解のしようがない。既知の二つ以上の情報を繋ぎ続けることで繋がりが強くなり記憶が定着していくので、「なるほど!」という場面を繰り返し経験しているとその情報を忘れなくなるということだ。 きちんと意味があることを相手に覚えてもらおうと思うなら、オウムのように同じ言葉を繰り返してもダメだ。 「xxxと〇〇〇は確かに関係している」という、情報が実際につながる理解の経験を繰り返さなければ相手の頭には残らない。

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